
What's MUSETTE

19世紀に入って産業革命によりヨーロッパ各地からの移民がパリに流れ込み、イタリア移民たちはアコーディオンをパリに持ち込みました。
ダンスホールも移民の増加と共に増え、セーヌ河右岸バスチーユ近くの「ラップ通り」がそのメッカとなり、20世紀初頭にはアコーディオンをメインにしたダンス音楽“ミュゼット”が大流行しました。シャンソンと並んでフランスを代表する音楽です。
ワルツを中心にポルカ、最近ではサンバ、ボサ・ノヴァなど、多彩なリズムが取り入れられており、ジャズ、ブルース、タンゴなど様々な音楽要素が反映しています。
ジャンゴ・ラインハルトも若い頃はバンジョーでミュゼットの伴奏をしていました。






ミュゼットとはパリ郊外の牛飼いなどが演奏していた楽器の名前です。バグパイプの一種です。オーベルニュ地方の若者がパリでカフェやワイン店などを営むようになり、ここでミュゼットを演奏し、この楽器で演奏した音楽自体をミュゼットと呼ぶようになりました。その後ミュゼットはアコーディオンにとって代わり、大音量のアコーディオンにも負けないバンジョーが伴奏するようになりました。パリ市民の間ではこのダンスミュージックが大流行しました。
アコーディオンの演奏家は裕福であった一方、バンジョー弾きはジプシー出身が多く貧しい生活を送っていました。ジャンゴ・ラインハルトもジプシー出身のミュージシャンです。ジャズギターの巨匠と言われるジャンゴですが、ギターに持ち替える前はバンジョーでミュゼットを演奏していました。一般的にアコーディオンが主役のミュゼットですが、実はジプシー出身のバンジョー奏者がミュゼットの発展に大きく貢献しました。名曲と言われる中にはバンジョー奏者が作曲したものも多くあります。またディミニッシュと言われるおしゃれなコードが使われるようになったのもバンジョー奏者のアイデアです。
約100年前に大流行したミュゼットですが次第に聴かれなくなり、現在ではおもに商業音楽としてアコーディオンとギターで演奏することが一般的です。
今では聴くことの出来ない当時のアコーディオンとバンジョーの演奏を、私たちBanjo & Accordionが再現しています。



バンジョー奏者 稲川友則の1895年製のバンジョー。
当時のミュゼットはこんなバンジョーが使われていました!